2026.04.27
現代アート×インディーゲームの展覧会「art bit #6:ゲーム・プレイング・ソサエティ」開催について
現代アートとインディーゲームの相互の魅力に迫る展覧会「art bit – Contemporary Art & Indie Game Culture – #6:ゲーム・プレイング・ソサエティ」が、「常に変化する京都のアート&カルチャーの今」を発信するホテル アンテルーム 京都にて2026年5月16日(土)〜7月12日(日)にかけて開催となります。
また、開幕翌日の5月17日(日)には、本展の連動イベントとして、立命館大学ゲーム研究センター(RCGS)との共催による国際シンポジウム「ゲーム・プレイング・ソサエティを考える──〈遊び〉と〈芸術〉の境界面から」が立命館大学衣笠キャンパスにて開催されます。
■「art bit – Contemporary Art & Indie Game Culture – #6」展について
2011年の開業以来、「常に変化する京都のアート&カルチャーの今」を発信してきたホテル アンテルーム 京都と、2013年より続く日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit」との出会いから生まれた本展では、現代アートのゲーム性とインディーゲームの芸術性という、合わせ鏡のような互いの魅力とクリエイティビティのルーツに注目。カルチャーの垣根や、アーティストやクリエイター、研究者といった立場を超えた人と人との交わりから、アートとゲームの新たな可能性を追求しています。
6年目となる本年は、「ゲーム・プレイング・ソサエティ」をテーマに、ゲーム/遊びが社会実装されていく未来を考える展覧会を実施します。
ゲームの市場規模が映画産業を越え、ビデオゲームを遊んだ記憶が国や世代を超えた共通体験となった現代。かつて歴史学者のヨハン・ホイジンガたちが指摘した人類のネイチャーであり、文化・文明を駆動するエンジンでもある〈遊び〉は、テクノロジーと交わり、ゲームエンジンによる新たなクリエイターエコノミーや、ゲーム実況、eスポーツのようなプレイヤーが主導する新たな経済圏を生み出し、「遊びのルネサンス(再生)」と呼べるような時代の到来を感じさせます。
また、そのような仮想と現実を越えてゲームが彫刻する新たなリアリティは、個人の身体感覚や自己認識を拡張し、社会を変容させるとともに、かつてアーティストのヨーゼフ・ボイスによって拡張された「彫刻」の概念、すなわち人々が社会を変えていく行為そのものを芸術として捉えた「社会彫刻」の在り方とも重なります。
長い歴史の中で繰り返されてきた争いや格差による分断をはじめ、インターネットやコンピューターのアルゴリズムにより、リアリティの意味がそれぞれの人で異なる〈複合現実〉を生きる私たち。氾濫する情報の中で、見えない世界のルールを捉えるリテラシーが問われる中、互いのゲームに引きこもるのではなく、分断が日常化された世界をいかに繋いでいくのか。
ゲームに対する遊びの復興や、ネイチャーとしての遊び心、コモンズとしての遊び場の再考など、〈複合現実の時代〉を超克する「ゲーム・プレイング・ソサエティの想像力」を通して、人々が一緒に遊べる世界線を模索します。
■「彫刻」の根源性と「社会彫刻」を〈遊び〉で架橋するアート/ゲーム作品たち
本展のコンセプトを体現する具体的な出展作品としては、最古の芸術メディウムの一つである「彫刻」の根源性を問い直しながら、多くの人々がプレイという行為を喚起するゲームがが喚起する参加性や共同性を「社会彫刻」的な実践へと接続していく作品群を、アートとゲームの垣根を越えて選定。
大小島真木、彌永ゆり子、重田佑介の作品においては、物質、身体、イメージの関係性を通じて、「彫刻」が単なる立体物ではなく、生命の生成や知覚の変容における〈遊び〉の感覚と結びついた出来事として捉え直されます。
そしてボイスの「社会彫刻」以後、彫刻は人々の関係や共同的行為をかたちづくる実践へと拡張され、今日のソーシャリー・エンゲイジドな表現にも連なる重要な参照点となってきました。この潮流をふまえれば、Mélanie Courtinat、Vincent Moncho、および藤嶋咲子や木原共らのゲームアート作品もまた、参加者の判断や相互作用そのものを作品の内部に組み込みつつ、〈遊び〉を媒介に不可視の社会的関係のかたちを彫塑していく実践として位置づけられます。
他方、tha ltd. / Enhance 《HUMANITY》をはじめとするプロパーなインディーゲームの領域においても、〈遊び〉としてのゲームが、ルールとメカニクスに基づくオルタナティブな社会関係の形成や、分断の進む現実の世界情勢への批判的応答を織り込んだアクチュアルな問題系の作品群が、軌を一にして登場してきています。
さらに、カミエナ・塩見亮介・金子尊による《GameArt Project「CÔGEIMU」》およびYANOKEN PROJECT《The Great Adventure of SHIP’S CAT》は、一点ものの彫刻的な筐体にアーティスティックなビデオゲーム体験を埋め込むという着想から誕生したプロジェクト。作品の固有性とプレイによる参加性とを直接的に結び合わせ、アートとゲームの境界面そのものを提示します。
■出展作家・作品(予定)
Mélanie Courtinat 《INDULTO》
Vincent Moncho 《THE COMPANY: HARMONIA LTD. ACT 2: The Plan》(仮)
藤嶋咲子 《デジタル・ペルソナ -二つの声−》ver.2026
木原共 《ありうる人生たちのゲーム》
彌永ゆり子 《IMG fish #2 / swans swimming in the lake》
重田佑介 《電気海岸の唄》
大小島真木 《渦き Resonant Wounds》(仮)
カミエナ・塩見亮介・金子尊《GameArt Project「CÔGEIMU」》
YANOKEN PROJECT 《The Great Adventure of SHIP’S CAT》
Enhance Experience Inc.《HUMANITY》
ポケットペア 《クラフトピア》
Extra Nice《SCHiM》
Toge Productions 《Coffee Talk》
Nyamakop《Relooted》
ほか
■キュレーション
豊川泰行
中川大地
村上雅彦
葛西祝
■ 開催概要
展覧会名:art bit #6:ゲーム・プレイング・ソサエティ
会期:2026年5月16日(土)〜7月12日(日)
時間:10:00〜20:00
会場:ホテル アンテルーム 京都 GALLERY 9.5
住所:京都府京都市南区東九条明田町7
入場料:無料
イベント:2026年5月16日(土)レセプション・ワークショップ開催予定
主催:ホテル アンテルーム 京都、株式会社Skelton Crew Studio、ars●bit/一般社団法人 渋谷あそびば制作委員会

助成:クリエイター支援基金

■ 連動イベント
国際シンポジウム「ゲーム・プレイング・ソサエティを考える──〈遊び〉と〈芸術〉の境界面から」
国内外のキュレーター・専門家を招聘し、本展の理論的背景と国際的なアート×ゲームの潮流を深掘りするシンポジウムを開催いたします。
日時:2026年5月17日(日)13:00〜18:30(12:00開場)
会場:立命館大学 衣笠キャンパス 創思館カンファレンスルーム
登壇者:中川大地(評論家・編集者)、八谷和彦(メディアアーティスト)、Leeji Hong(キュレーター)、Lee Chia Lin(キュレーター)、Vincent Moncho(キュレーター)、Vincent Moulinet(アーティスト)、Mélanie Courtinat(アーティスト)、Bae Sang Hyun(アーティスト・ゲームクリエイター)、カミエナ (ゲームクリエイター)
ほか