
2025.07.04
里庭の記録 九月
暑さ寒さも彼岸までという言葉の通り、日照りの峠を越えて爽やかな風が通るようになりました。実りの恩恵を受ける季節、秋。春に種を蒔き、立派に育った藍蓼(アイタデ)を使って「藍の生葉染め」を行いました。使ったのは、藍の葉と貝がらのパウダーのみ。火や薬品を使わなくても鮮やかな発色を楽しむことができ、植物の力をダイレクトに感じられる方法です。
「藍蓼の収穫」
「布を染色液に投入し、水気をしぼり、空気にさらす」
「爽やかな藍色」
里庭には、ハーブや野菜を囲むように果樹が植えてあります。
レモン、柿、なつめ、いちじく…
日に日に色づく姿は、季節のうつろいを感じさせてくれます。いちじくは果実だけでなく、葉も芳醇な香りをもち、たんぱく質の分解酵素を含むハーブとして利用することができます。
「いちじくの葉」
「上からレモン、柿、なつめ」
畑で収穫した野菜は素材を活かして調理し、お食事処にてご提供しています。この日は、さつまいも、穂紫蘇が料理に彩を添えました。
「収穫したさつまいもを提供している様子」
「収穫した穂紫蘇を提供している様子」
里庭で育まれた実りから、美しい布の色や、味わい深い味が生まれた九月でした。みなさまも良い秋の日々をお過ごしください。