2021.08.05

『蓮葉-HASUHA-』金谷亘氏× kanra lounge 特別対談

この夏、和洋スイーツを伝統工芸で楽しむ、限定コラボメニューを展開

当館1Fのkanra loungeでは8/7-9の3日間限定で、和菓子の道具ブランド『蓮葉 -HASUHA- 』のお皿に載せて、和菓子や洋菓子をお楽しみいただく限定メニューを展開します。コラボレーションに込められた想いを『蓮葉 -HASUHA- 』の金谷亘さん、洋菓子を担当したkanra loungeパティシエの堀川昌也に聞きました。

 

『蓮葉 -HASUHA- 』写真に映える、日常使いの和菓子皿

 

-早速ですが、『蓮葉 -HASUHA- 』はどういうきっかけで誕生したのでしょうか?

 

金谷:
もともと、私は江戸時代から続く京菓子司 金谷正廣という創業160年の京都の和菓子屋を営んでおります。『蓮葉 -HASUHA-』を立ち上げたきっかけは二つ。

一つは新型コロナの影響でお茶会やお稽古が中止になる事が多く、それを楽しみにされていたお茶人さんがとても落胆されていた事です。もちろんお茶会用のお菓子は必要ではなくなってしまいました。

もう一つは、コロナとは関係なく、地方の和菓子屋さんが多く潰れていっているという現実。まちにお菓子屋さんがなくなると、お菓子やお茶の文化が子供たちに伝わらなくなります。京都はそれらの文化が根付いた環境なので実感が湧きにくいですが、地方で起こっていることは巡り巡って私達にも影響してくると思ったんです。

 

▲『蓮葉 -HASUHA-』お菓子の為の和菓子皿と菓子楊枝。お皿の渦文様は一つ一つフリーハンドで描かれている。

 

このような理由から、何か新しいことを始めようと思ったときに、たまたまインスタグラムで「#インスタ茶道部」というハッシュタグを見つけたんです。集まることはできなくても、思い思いにお茶やお菓子の写真を投稿する姿を見て、そういう楽しみ方もあるんだと、安心したと同時に勇気付けられました。

また、もっと魅力的な写真が並べばさらに興味を持ってくれる人が増えるのでは、と感じ始めたんです。茶室で使う道具は、茶室に映えるように作られていますので、現代の生活様式の中にあるとちょっと違和感を感じます。そこで、知り合いだった京焼きの老舗、清水六兵衛窯の清水宏章さんに相談して、写真に映えるような和菓子の為のお皿の制作をスタートしました。

 

コンセプトは「お菓子が中心の世界だったら」。実はこだわりが沢山詰まっています

 

-『蓮葉 -HASUHA- 』は打ち出しているコンセプトがとても面白いですよね。

 

金谷:
『蓮葉 -HASUHA-』はお茶会用のお皿ではなく、日常生活の中で使ったり、写真に撮って楽しむことも想定して作っています。そのため、「畳でなくテーブルに置くので、埃よけの脚は無くしていいのでは」「縁のリムが高いと写真に影が出てしまうので、リムは無くそう」「釉薬のてかりが強いと、つやのないお菓子を置いた時にお皿が勝ってしまうから、半マットに」など、色々とこだわっています。

 

 

▲色味は、盛り付けた和菓子が映えるよう、お菓子ではあまり使われない青〜グレー系統の色と白を基調に。

 

-そんなに沢山のこだわりが!ぜひ伝えていきたいですね。

 

金谷:
ただ、全てを伝えようとすると長くなってしまうので・・・(こだわりの全ては、こちらのインタビューをご覧ください。)思いきって「お菓子が中心の世界だったら」とドリーミーな表現にしてみたんです。伝統工芸を仰々しく扱うことが、若い世代にはネガティブに映るのではと懸念もあったので、あえて楽しそうな雰囲気にしてみました。

 

和菓子用のお皿に、あえて洋菓子も。kanra loungeならではのコラボ

 

-堀川さんは今回のコラボで、どのようにメニュー開発をしたんですか?

 

堀川:
まずは素敵なお皿を皆に知ってほしい、ということを最初に思いました。そして、このお皿は日常で和菓子を楽しめるようにと開発されたものですが、和菓子だけでなく洋菓子も載せてみたら利用シーンが広がるのではと思い、金谷さんに提案したんです。金谷:
実はお皿の開発時からその話は出ていて。清水さんから「和菓子の為の、と言っても人は必ず他のものも載せますよ」と言われていたんです。自分としては、お皿と一緒に和菓子を買ってほしいという気持ちから名付けていますが、何を載せようかと考える楽しみも感じてほしい、とも思っていました。なので、今回のように他のお店とコラボするときには垣根を超えて楽しみが増えるといいなと思います。今回の洋菓子メニューも、自分には思いつかない発想でした!

 

 

▲今回提供されるパティシエオリジナル洋菓子。フランスの画家クロード・モネの「睡蓮」をイメージし、球体に仕上げたパッションフルーツのメレンゲの中には、梅のデグリネゾンを入れ、さっぱりとした仕上がりに。

 

堀川:
実は、洋菓子の形は球体にしよう、と最初から決めていたんです。和菓子の可愛らしいイメージを踏襲しようと思っていて。お皿の模様から、モネの睡蓮をイメージしました。今までお皿の形や模様からメニューを考案したことはなかったので、自分にとっても新しい体験でした。

 

「使わなわからん」実際に触れて楽しんでほしい、お皿と菓子楊枝の魅力

 

-最後に、イベントを通してどんなことを伝えたいですか?

 

金谷:
美術館や博物館で古い陶器を見るのが好きだったんですが、初めてお茶会に呼ばれた時に数十万円も価値のある茶器を使わせてもらったんです。そのとき感じた「使わなわからん!」という感動。実際に使って初めてわかることが沢山あるのだと学びました。今回のイベントでは、眺めるだけでなく実際に使って感じる楽しみを、皆さんにも体験してもらえると嬉しいです。堀川:
今回、お皿と一緒に「和菓子の為の菓子楊枝」も提供するのですが、お客様自身に好きな柄をお選びいただけるようになっています。自分で使うならどれがいいかな、と楽しみが加わりますし、種類が多いのでずらっと並べるだけでも絵になります。和菓子用の楊枝で洋菓子を召し上がっていただく、という体験も楽しんでもらいたいです。

 

 

イベント詳細
『蓮葉-HASUHA』× kanra lounge 和洋スイーツを伝統工芸で楽しむ

日時:2021年8月7日(土)〜8月9日(月)
時間:11:00~17:00(16:30ラストオーダー)
予約:https://restaurant.ikyu.com/108480/
メニュー・料金:
・季節の和菓子+2ドリンク/季節の洋菓子+2ドリンク 各1,200円
・季節の和菓子+洋菓子+2ドリンク 1,800円
・選べるお皿付き 各4,100円※上記金額は全て税金・サービス料込